1億円のポートフォリオ

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eMAXIS Slim(先進国、新興国、国内株)に現代ポートフォリオ理論を適用する

こんにちは。ゆうじろうです。投資においていちばん重要なのは資産配分です。これはインデックス投資でも同じです。ものすごく重要なのでよく研究されています。

中でも最も有名なのが現代ポートフォリオ理論です。

現代とついているのでなんとなく最近のイメージを持ってしまいますが、1952年にハ

リー・マーコウィッツによって提唱されています。

なんと、70年近く前ですね。

近代ポートフォリオ理論と訳す方が良いかもしれません。

 

古い概念ですが、現代においても通じる基礎的な考え方なので知っておくべきです。私も最近知りました(笑。

 

 

投資の目的は利益を出すことですので、なるべく利益が大きくなりそうな資産配分を考えたいですね。でもなるべくリスクは取りたくありません。そこでリスクを抑えつつ、リターンが大きくなるような資産の組み合わせを考えます。

 

ここで理解しないといけない用語は3つです。

 

リスク

投資においてリスクはばらつきの大きさを意味します。ばらつきが大きいと儲かったり損したりの幅が大きくなります。投資をする人は小さいリスクを好み、投機をする人は大きいリスクを好みます。

 

リターン

リターンは収益を指します。投資の目的はリターンを得ることですね。未来のリターンは分からないので、過去のある一定期間のデータを使って算出します。どの期間を使うかで大きく異なるのであまり信用できません。

 

シャープレシオ

リスクとリターンのバランスを測る数値です。次の式で計算できます。

(リターンー安全資産利子率リスク

ここで安全資産利子率は無担保コールレートというよく分からない値が使われるそうです。

今日の値を確認すると-0.027%でした。

どうでもいい値なので今回は無視します。要はリスクに対するリターンを求めたいのでリスクが無くても得られるリターンは除きましょうということです。

 

使用するデータはeMAXIS Slimシリーズ(先進国、新興国、国内株)の2017年8月から4ヶ月間のデータを使って計算します。

 

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青:先進国緑:新興国赤:日本

 

昨年後半は日本のパフォーマンスが最も良かったですね。どれも株式なのでよく似た変動をしますが、ある程度の違いもあります。

変動パターンの類似度を測定する方法の1つに相関係数という方法があります。相関係数は-1から1の値で表現されます。値が大きい方がよく似ているということになります。完全に一致していると1,真逆のパターンだと-1になります。

では、eMAXIS Slimシリーズ(先進国、新興国、国内株)の類似度はどうだったでしょうか。

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先進国と新興国の類似度が0.75なのに対して先進国と日本の類似度は0.53しかありません。ちょっと意外な気がしますが、2017年後半だとこのような結果になります。

 

 

次に本題の現代ポートフォリオ理論の計算をしましょう。wikipediaを見てみると以下のような図を使って説明されています。

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X軸にリスク、Y軸をリターンとした平面を考えます。この平面上に各資産のリスク値とリターン値で表現されるポイント(点)を書き込みます。先進国や新興国といった資産を書き込むのですが、個別の資産だけでなく組み合わせた資産も書き込みます。

例えば、(先進国:新興国:日本=6:3:1)のポイントを書き込む事ができます。組み合わせの配分比率は無限に作ることが出来るので、書き込むポイントも無限に作ることができます。

 

でも、無限にポイントを書き込んでも全平面上に書き込むことは出来ません。

理由はリスクのある資産同士をどう配分しても一定のリスクは残るからです。またリターンも一定以上に大きくなりません。無限にポイントを書き込んでいるとある形が形成されます。

 

それでは、実際にeMAXIS Slimシリーズ(先進国、新興国、国内株)のデータを使って図を作ってみましょう。

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eMAXIS Slim(先進国、新興国、国内株)について、ランダムに2000種類の組み合わせ比率を作成して各組み合わせのリスクとリターンを書き込みました。色はシャープレシオを表しています。赤い方がリスクに対してリターンが大きいことを表しています。

 

この図から分かることは、同じリスクでもリターンが異なる配分がありえるということです。

 

図でいうと、同じ10%のリスクでもリターンが29%になる配分比率と38%になる配分比率がありえます。

同じリスクなら最も高いリターンになるように配分比率を決めるので、リスクを決めるとリターンが決まります。同じリスク中で最大のリターンになる点を繋ぐと上のwikipediaの図でいうところの青線になります。これは効率的フロンティアと呼ばれています。

投資家が資産配分を決めるときは効率的フロンティア上にポイントが書き込まれるような配分にするのが合理的というわけです。

効率的フロンティア上でも書き込めるポイントは無限にありますが、目安となるポイントが2個あります。

最小分散ポートフォリオ

図の緑星★で表現されるポートフォリオです。考えられる全ての配分比率の中で最もリスクが抑えられると考えられるポートフォリオになります。

eMAXIS Slimのデータだと、先進国:新興国:国内株=46:1:53になります。

 

最大シャープレシオポートフォリオ

図の赤星★で表現されるポートフォリオです。リスクに対するリターンの比率が最大になると考えられるポートフォリオです。

eMAXIS Slimのデータだと、先進国:新興国:国内株=6:17:77になります。

 

では、現代ポートフォリオ理論に従ってポートフォリオを構築するべきでしょうか?

現代ポートフォリオ理論は資産配分の基本的な考え方を提供してくれますが、これをそのまま投資に適用するのは少し難しいかなと考えています。

理由は過去のどの期間のデータで計算するかで結果が大きく変わるからです。特にリターンは大きく変わります。

 

でも、悲観はしていません。今回の理論はものすごく古い考え方です。それから60年以上経っているので、偉大な先達たちが多くの問題点を解決していることでしょう。

Google Scholor という学術論文の検索エンジンをご存知でしょうか?そのトップページには次の言葉が添えられています。

 

「巨人の肩の上に立つ」

 

私はこの言葉が好きです。人類は知恵や知識を生み出すとそれを蓄積して未来に受け渡します。次の世代はその知識を基に新たな知識を付け加えていきます。知識の積み重ねは今や巨人のように大きくなっています。

巨人の肩の上の見晴らしを見てポートフォリオを決めることが出来たら最高ですね。

(要はもうちょっと勉強してみないと決められないという意味です。)