こんにちは。ゆうじろうです。
前回の記事で”新興国株式クラスではeMAXIS Slim 新興国株式インデックスを買うべき”と言い切ってしまいました。
新興国株式インデックス投資信託はどれを買うべきか - 1億円のポートフォリオ
でも本当はわからないですよね、対象とする指数もそれぞれ違いますし。今後、3つの投信(eMAXIS Slim 新興国、楽天新興国、EXE-iつみたて新興国)の運用が始まったら実際のパフォーマンスで比較してみたいと思います。
”eMAXIS Slim 新興国株式インデックス”と断言した理由
米国ETF購入にまつわる課税問題
今後出揃う3つの優良ファンドの内、楽天新興国とEXE-iつみたて新興国は米国ETFを買い付けるファンドです。これが多重課税という大きなコスト増を発生させます。例えば、楽天新興国が買い付けるVWOというETFは別に楽天を介さなくても個人で直接購入することが出来ます。でも実際にやるとめんどうです。中でも一番めんどうなのは配当金への対応です。米国ETFを購入すると配当金への課税が米国と日本で2重に発生します。配当益に対して米国で10%課税された後、日本で20%課税されます。米国での課税は確定申告することにより一部取り戻すことが出来ますが、めんどうですよね。。
ETF購入ファンドは米国課税分のコストが上がる
楽天新興国を購入するとこれを自動で処理してくれます。具体的には米国での課税を気前よく支払って、残った配当金を再投資します。これを”こまけぇこたぁいいんだよ!! ”と思えるでしょうか?
VWOの配当は年2.5%程度です。ここから毎回10%が米国での税として差し引かれます。年率0.25%ですね。ちゃぶ台をひっくり返すようなインパクトです。
私は信託報酬が同じならETFを購入するファンドを選びたくないです。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックスのパフォーマンス
2017年12月13日から実質コストが最安になるeMAXIS Slim 新興国ですが、実際の運用パフォーマンスは問題ないでしょうか。運用開始が7月31日ですので3ヶ月以上の運用実績があります。同クラスのインデックス投信(たわら新興国株式、三井住友DC新興国、iFree新興国)と比較してみました。以下をご覧ください。
eMAXIS Slim 新興国が開始した2017年7月31日を基準日として基準価格を10000円にそれぞれ補正しています。
eMAXIS Slim 新興国とたわら新興国はほぼ同じパフォーマンスでした。三井住友DC新興国は最終的にはリターンがeMAXIS Slim、たわら新興国に並びましたが、比較期間の多くで2ファンドに劣後しています。
iFree新興国は他と変動が違います。
この原因として、対象としている指数が違うという点が考えられます。eMAXIS Slim、たわら、三井住友DCは”MSCIエマージング・マーケット・インデックス”を指数としますが、iFreeは”FTSE RAFI エマージング インデックス”を指数にしています。
年換算リスクはeMAXIS Slim: 13.1%, たわら: 13.1%, 三井住友DC: 15.6%, iFree: 13.1%でした。
これまではeMAXIS Slim 新興国とたわら新興国はどちらをどのタイミングで購入してもリターンは変わらなかったと思います。eMAXIS Slimが信託報酬を下げる12月以降は少しづつ差が出てくると思います。
あと、おもしろいと思ったのがiFree新興国です。変動パターンがMSCI指数の他3つと違うので、eMAXIS SlimとiFreeというように組み合わせて持つことでリスク抑制効果を期待できるかもしれません。
*計算結果の正確性は保証出来ません。投資判断は自己責任でお願いします。