こんにちは。ゆうじろうです。このブログを書き始めて1ヶ月ちょっとですが、投資の真理にたどり着きました。
それは、「運用成績は資産配分で決まる」ということです。
何を当たり前なことを…と思われるでしょうが、私にはすごいことです。
同じ資産クラスの投資信託の中からどの投資信託が最も良いかを考えるのは重要ですが、これはリターンやリスクにあまり影響しません。ネット証券中心に販売しているファンド(eMAXIS Slim、iFree、たわら等)から選択すれば良いでしょう。インデックスファンドの差別化要因は主にコスト(手数料)です。どのファンドがベストかはころころ変わりますが、中長期的には収斂すると思います。
どの資産クラスにどれくらいの配分で投資するかの違いはリターンやリスクに大きく影響します。過去の研究がいくつかあるのですが、いずれも運用成績の8~9割は資産配分で説明できるそうです。
では、どのように資産配分を決めれば良いでしょうか?
これは非常に難しいですね。私がこのブログを始めた当初は時価総額に基づいた国際分散が適切な資産配分だと考えていました。でも色々調べていると、時価総額に基づく資産配分もそれほど優れた方法ではないと考えるようになりました。
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? (時価総額加重平均の問題点) - 1億円のポートフォリオ
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? その2(時価総額加重平均と均等ウェイト) - 1億円のポートフォリオ
時価総額に基づく資産配分は専門用語では市場ポートフォリオと言います。市場ポートフォリオは現代ポートフォリオ理論で最適なポートフォリオとされています。
市場ポートフォリオが最適になるには市場が効率的であるという前提条件が必要です。
でも、残念ながら市場は効率的ではないのです。
効率的でない原因として次のような効果が知られています。
小型株効果
時価総額が小さい株式ほど株価収益率が高くなるという現象。
バリュー株効果
割安株ほど株価収益率が高くなるという現象。割安の判断はPBR(株価純資産倍率)を使って評価する。バフェットさんが得意なやつですね。
モメンタム効果
モメンタム効果は過去の株価収益率が高かった株式は将来の株価収益率も高くなり、過去の株価収益率が低かった株式は将来の株価収益率も低くなる現象。勢いで過剰に反応するということですね。
リターン・リバーサル効果
過去に株価収益率が低かった株式の株価収益率は高くなり、過去に株価収益率が高かった株式の株価収益率は低くなる現象。いわゆる逆張りですね。
こういった様々な現象(アノマリー)のおかげで、市場ポートフォリオは最適なポートフォリオだとは言えないのです。実際、前回の記事で紹介したように単純な均等配分ポートフォリオにも劣後します。
&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? その2(時価総額加重平均と均等ウェイト) - 1億円のポートフォリオ
かといって、販売されている多くのファンドが時価総額比なので各資産クラス内での時価総額比はある程度受け入れる必要があります。
でも先進国株、新興国株、国内株、債権、リートといった資産クラスのそれぞれの配分については大いに考える余地があると思っています。
資産クラスの配分をどうすれば良いか
偉大な先達が現代ポートフォリオ理論を実際に適用する際の問題を指摘し、克服するための方法論を発表しています。
1つはブラック–リッターマン・モデルです。ゴールドマン・サックスの実務家フィッシャー・ブラックとロバート・リッターマンが1990年に考案した方法です。現代ポートフォリオ理論の実際の適用で発生する問題に対応しています。
もう1つはファーマ-フレンチの3ファクターモデルです。ユージン・ファーマとケネス・フレンチが1993年に発表した方法です。これは3つの因子を使ったモデルです。市場ポートフォリオに加えて企業規模の大小と企業価値の割安/割高の3つの因子を使ってモデルを構築しています。
それぞれ素人にはすぐに理解できるものではないですね。。でもリスクとリターンに大きく影響します。
1番簡単にこれらのモデルを適用する方法としてロボアドバイザーがあります。
最近、ロボアドバイザーが各種登場していますがその中身の多くがブラック–リッターマン・モデルとファーマ-フレンチの3ファクターモデルを使っています。例えば、日本のロボアドバイザーで有名なWealthNaviはブラック–リッターマン・モデルを利用しています。
WealthNaviのアルゴリズム
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf
日本より先行しているアメリカでは既に数兆円の資産運用がロボアドバイザーで行われています。今後の大きな流れとしてロボアドバイザーを活用した資産運用が主流になってくるのかもしれませんね。
ロボアドバイザーがどうやって資産配分をしているか、その中身を今後勉強していきたいと思います。