こんにちは。ゆうじろうです。投資をしようとするといくつかの意思決定が必要になります。インデックス投資の場合、主な意思決定は次のようになります。
1.どの資産クラスにどれだけ投資配分するか。
2.どの指数(インデックス)を選択するか。
3.どの銘柄(商品)を選択するか。
意思決定に重要な順は1>2>3です。また、意思決定が難しい順も1>2>3だと思います。
1番の「どの資産クラスにどれだけ投資配分するか」ですが、具体的には株式、債券、REIT、その他資産、現金にどの割合で資産を配分するかということです。より詳細には、株式だと先進国株式、新興国株式、国内株式というように細分化されます。過去の研究で投資リターンの8~9割はこの資産配分に左右されるそうです。
2番の「どの指数を選択するか」については、S&P500やTOPIXのような時価総額加重平均型のインデックスを選択するかそれ以外の指数を選択するかになります。時価総額加重平均型以外の指数はNYダウや日経平均のような平均株価型や、均等配分型、最小分散型、ファンダメンタル型などが考えられます。
実際の商品として販売されている投資信託は大半が時価総額加重平均型です。でも時価総額加重平均が優れた指数という訳ではありません。単に運用会社にとって運用が容易で都合が良い指数というだけです。
時価総額加重平均の問題点は以前記事にしています。
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? (時価総額加重平均の問題点) - 1億円のポートフォリオ
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? その2(時価総額加重平均と均等ウェイト) - 1億円のポートフォリオ
とは言え、現実には時価総額加重平均型は広く受け入れられています。これは商品の選択肢の多様性と低コスト化にとって非常に有利に働きます。現状では時価総額加重平均型の商品を中心に考えるしかないです。
3番のどの銘柄(商品)を選択するかはインデックス投資においては簡単な問題です。インデックス投信の良し悪しは指数とどれくらい一致するかで評価しますが、これはほぼコストで決まります。投信のコストは運用会社が公表しているので誰でもすぐに確認できます。気を付けないといけないのはコストは信託報酬だけで決まらない点です。実質コスト(トータルコスト)という信託報酬以外の種々のコストを含めて評価しないといけません。これは運用報告書を確認する必要があるので新規に設立されたファンドは運用報告書が出されるまで実質コストが分かりません。
同クラスのファンドが複数あれば日々の基準価格の変動率を直接比較することでどのファンドが良いか直接的に判定することもできます。これは私が良く行っている方法です。
これまでに各種株式クラスでファンドを直接比較してきました。
つみたてNISAの投資先 (eMAXIS Slim先進国株とeMAXIS Slim新興国株) - 1億円のポートフォリオ
国内株式インデックスファンド比較 TOPIX編(eMAXIS Slim, 三井住友DC, iFree, ニッセイ, たわら) - 1億円のポートフォリオ
比較の結果、現時点で最良のファンドは次のようになります。
先進国株クラス
eMAXIS Slim 先進国株インデックス
新興国株クラス
eMAXIS Slim 新興国株インデックス
国内株クラス(TOPIX)
eMAXIS Slim 国内株式インデックス
特にeMAXIS Slimに肩入れするつもりはないですが、現時点ではeMAXIS Slimシリーズを購入するのが合理的です。インデックスファンドは現在コスト競争が激しいので最良ファンドはちょくちょく入れ替わります。ネット中心に販売している低コストが売りのファンドシリーズ(iFree、たわら、ニッセイ)だったら大体問題ないでしょう。
インデックス投資に重要な3つの意思決定の内、3番は簡単に決まります。2番は本来は難しい問題ですが現状では選択肢が少ないので時価総額加重平均を中心に考えるしかないです。必然的にインデックス投資の運用の差は1番で決まることになります。
最近、資産運用で注目を集めているロボアドバイザーも1番をサポートするためのシステムが中心です。
では、どのように資産配分すれば良いでしょうか?
これに答えるのは非常に難しいですね。まずはMAXIS Slimシリーズの3投信(先進国株、新興国株、国内株)の過去の変動を確認してみましょう。
緑:新興国、青:先進国、赤:日本
過去半年間では日本株が最も高いリターンでした。3クラスとも右肩上がりに上昇しています。なんとなくそれぞれの変動パターンも似通っているような気がしますね。
株式同士だとどうしても似通ってしまうので他の資産にも配分する必要があるかもしれません。
株式クラスの資産配分にも時価総額加重平均はよく使われます。その他にはGDP比を使って配分する方法もあります。
また、統計的手法を用いたアプローチもありますね。有名なのは現代ポートフォリオ理論です。
この辺りについては、また次回詳しく書きたいと思います。