こんにちは。ゆうじろうです。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」(FOY2017)というイベントをご存知でしょうか?投信ブロガーが投票で最も良い投資信託を選んでいるイベントです。FOYの良いところは投信ブロガーしか投票できない点です。
投信ブロガーはブログを開設するくらい投資信託が好きな人々です。日々、ファンド間の僅かな違いを比較してどれが良いかを一生懸命考えています。でもプロのようなしがらみはありません。
投票するためにいくつもブログを立ち上げるような人はいないでしょうから、純粋な人気投票と言って良いのだと思います。
私がブログを始めたのは11月末なので残念ながら投票できませんでしたが、2017年はたくさんの優れたファンドが誕生したので投票結果に注目していました。
投票結果
第1位 楽天全世界株式インデックス(楽天VT)
第2位 ニッセイ外国株式インデックス
第3位 楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
第4位 野村つみたて外国株投信
第5位 eMAXIS Slim 8資産均衡
第6位 ひふみ投信
第7位 eMAXIS Slim新興国株
第8位 たわらノーロード先進国株
第9位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)
第10位 iFree S&P500
もし私が選ぶとすれば、eMAXIS Slim新興国株でしょうか。理由は新興国株投資のハードルを大きく下げたことです。これまでの私の新興国投資のイメージは高コスト、高リスク、中リターンでした。1言でいうと割に合わないということです。
でも世界経済は大きく変化しています。私が小さい頃は中国や韓国は経済的には取るに足りない国でした。でも今は中国は日本の2倍以上の経済力を持ち、韓国のサムスン、LGに日本の電気産業は敗北しました。20年後の世界もきっと今とは様変わりしていることでしょう。
eMAXIS Slim新興国のコスト引き下げで新興国と先進国の信託報酬差は一気に縮まりました。これでコストについては新興国を選択しない理由が無くなりました。
ランキングに戻ります。
FOY2017の1位は楽天全世界株式インデックスでした。楽天は2017年に米国バンガード社のETFに投資する投資信託シリーズを開始しました。米国バンガード社は世界一の資産残高を運用する投信会社です。
バンガード社のETFは超低コスト、超多分散、超高資産残高の無敵艦隊のような商品群で知られています。その素晴らしさは誰もが認めていると思います。
でも米国ETFに投資するには課税や為替取引などのめんどうな手続きがあるので実際に投資するのは難しかったと思います。
楽天バンガードインデックスシリーズでバンガードETFへの投資が一気に簡単になりました。これは素晴らしい変化です。楽天バンガードシリーズが多くの得票を得たのは頷けますね。
3位の楽天全米株もバンガードです。米国株に投資するファンドですね。
私は投信ブロガーが付けた順位(1位全世界、3位全米)に感銘を受けました。
なぜかというと、2017年の投資環境だと楽天全世界よりも楽天全米に投資したくなるはずだからです。
実際の純資産額を比較すると、楽天全世界が22億円に対して楽天全米が48億円です。楽天全米の方が2倍以上売れているということです。
次に実際のパフォーマンスを比較してみます。
緑:楽天全米、青:楽天全世界
FOYの投票期間中はずっと楽天全米が楽天全世界を上回っていました。本家のバンガードETFではそれ以前の5年間を遡ってもVTI(全米)がVT(全世界)を上回り続けています。
緑:VTI(全米)、青:VT(全世界)
投信ブロガーの人たちはこれらの事象を当然知っているはずです。
それでも楽天全世界により多くの投票が集まったのは投信ブロガーの思慮深さが現れていると思います。
未来がどうなるか予測することは困難です。近年は米国株が大きく上昇しましたが、この先も同じように成長するかは分かりません。かといって米国以外が米国株より成長するかも同様に分からないです。
同じように分からないのであれば、より幅広く投資するのがインデックス投資の基本的姿勢なのでしょう。
米国株について記事を書いています。参考にどうぞ。
米国株に集中投資するべきでない理由 - 1億円のポートフォリオ