こんにちは。ゆうじろうです。
世界に幅広く分散投資することで世界経済の成長に見合ったリターンを得ることがインデックス投資の目的だと思います。
でも実際には世界全体に分散投資することが効率的とは言えないかもしれません。
なぜなら、世界全体に投資するには投資するためのコストが掛かるからです。例えば、日本から遠く離れたナイジェリア経済に投資するのは難しいでしょう。(あくまで例です。ナイジェリアに株式市場があるか知りません。)
そこでインデックスファンドで投資することになりますが、それでも海外に投資するには追加のコストが掛かることになります。
そうです、税金です。
例えば、楽天全米株式インデックスファンドを購入する場合は配当に対して米国で10%課税された後に再投資されます。
米国株(VTI)の配当利回りは2%程度ですので、0.2%が上乗せコストになります。
これは楽天全米だけでなくて、全ての外国株式インデックスファンドで同じことが言えます。米国の税率は10%ですが、さらに高い国もあると思います。これらは実質コストとして算出されない隠れコストになります。
楽天全世界は米国以外の国々の現地国課税がさらに上乗せされています。これでは配当再投資の複利効果がかなり減殺されてしまいますね。
私は長期投資の最大の利点は配当再投資による複利効果だと思っていますので、この課税コストはインデックス投資の最大の問題だと認識しています。
でも世界で1つだけこの課税コストが掛からない国があります*1
それは日本です。
もちろん、国内株式のインデックスファンドに投資しても最終的には譲渡益に対して課税されます。でも分配金を出さないインデックスファンドであれば運用期間中に再投資される配当に対しては税が掛かりません。
いわゆる税の繰り延べですね。
以前の記事で配当再投資について調べてから、配当再投資による複利効果こそが長期投資のパワーの源泉だと確信するようになりました。
インデックス投資信託に複利効果はあるのか? - 1億円のポートフォリオ
国内株式インデックスファンドはこの配当再投資の力を税によって減殺されずに運用することができます。
では、次に国内株式のどのファンドに投資するべきか考えてみます。
国内株式のインデックスで有名なものにTOPIXと日経平均があります。この2つの指数のどちらが良いか実際のファンドの運用実績を比較してみます。
2009年から長期運用が続いているファンドにeMAXIS(TOPIX, 日経平均)があります。今となっては高コストファンドですが、その当時は代表的な低コストファンドだったと思います。また、過去については確認できませんが、現在のeMAXISのTOPIXと日経平均の信託報酬は同じです。
それでは、TOPIXと日経平均のファンドを比較してみましょう。
赤:eMAXIS 日経平均、橙:日経平均(指数)、青:eMAXIS TOPIX、水色:TOPIX(指数)
日経平均とTOPIXの指数もグラフ化しているので少し分かりにくいかもしれません。暖色が日経平均、寒色がTOPIXというように見てください。
まず、過去8年間では日経平均がTOPIXを上回っていました。
TOPIXは時価総額加重平均で算出されているのでパフォーマンスが良くないのだと思います。時価総額加重平均の問題点については過去に記事にしています。
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? (時価総額加重平均の問題点) - 1億円のポートフォリオ
S&P500やTOPIXは本当に良いインデックスか? その2(時価総額加重平均と均等ウェイト) - 1億円のポートフォリオ
eMAXISファンドの方が日経平均やTOPIXを上回るのは配当が分配されずに再投資されているからです。最初の数年ではその差は分かりにくいですが、投資が長期になるほどその威力が発揮されます。
これこそが長期投資家が求める配当再投資による複利効果です。
日経平均とTOPIXのどちらのファンドが良いか?
日経平均とTOPIXだと日経平均の方がパフォーマンスが良いのですが、最も低コストの投信の信託報酬を比較するとTOPIXの方が低い状態が続いていました。
しかし、その現状を変えるニュースがeMAXIS Slimから発表されました。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)が2月2日に誕生します。
信託報酬はeMAXIS Slim TOPIXと同じ0.159%です。
これはTOPIXの信託報酬でも最も低コストになります。
信託報酬の点で日経平均とTOPIXに差が無くなります。
私は国内株は個別株を買っていたので投資信託の購入は控えていました。今後は国内株式インデックスにも積極的に投資しようと思います。
2018年は個別株を売却しつつ、インデックスファンドに重心を移していきます。
*1:もしかしたら世界を探せば課税の無い国もあるかもしれません。