こんにちは。ゆうじろうです。
理論物理学者のホーキング博士が亡くなられました。
新たな分野を切り開いた科学者としてだけでなく、一般の人にも分かりやすく宇宙論を解説するサイエンスライターとしても偉大な功績を残されました。
ホーキング博士と聞いて多くの人が思い浮かべるのは彼の病気のことではないでしょうか?
少し前に世界中で話題になった、「アイス・バケツ・チャレンジ」を覚えているでしょうか?ある難病の研究を支援するための寄付を募る活動として広がりました。
筋萎縮性側索硬化症 (ALS)と言う病気ですが、 ホーキング博士はこの病気に学生の頃から侵されていました。
ALSという病気は極めて重い病気です。発症すれば体中の筋肉がみるみる萎縮していき、大半の患者さんが5年以内に亡くなります。
一度発症すれば治癒することはありません。有効な治療法もありません。薬が1種類だけありますが病気の進行を少し遅らせることができる程度です。
現在でも、どうしてこの病気が発症するのか、どうやって治療すれば良いのかよく分かっていません。
もし私がALSを発症したら絶望してしまうと思います。体中の筋肉が失われて歩くことが出来なくなり、話すことが出来なくなり、食事が出来なくなり、寝返りも出来なくなり、指を動かすことも難しくなります。
彼が発症から50年以上生きたのはALS患者としては奇跡的なことで、常に死と隣り合わせの日々を過ごされてきたのだと思います。
漫画スヌーピーの有名なシーンにこんなセリフがあります。
ルーシー「Sometimes I wonder you can stand being just a dog ….」
(時々、わたしはどうしてあなたが犬なんかでいられるのか不思議に思うわ。)
スヌーピー「You play with the cards you’re dealt …whatever that means. 」
(配られたカードで勝負するしかないのさ…..それがどういう意味であれ。)
博士に配られたカードはあまりにも残酷なカードでした。
それでも博士は動かない体で誰よりも広い世界を見渡していました。
彼の姿を見て世界中のALS患者さんがどれだけ勇気づけられたでしょうか。
博士はこんな言葉を残されています。
人生は、できることに集中することであり、できないことを悔やむことではない
素晴らしい人生でした。