2018年の米国市場を一言で表すと、「ボラティリティー(変動率)の復活」になるでしょう。2017年の株価は大きな値動きが少なく、右肩上がりに上昇を続けました。
しかし2018年2月から世界が一変します。
1日の値動きが1%を超える日が当たり前になりました。
NYダウが1%以上動いた日数は2017年は1年間で10日しかありませんが、今年は既に30日になります。
これはグラフにすると分かりやすいです。今年の2月から1日の値動きを示す箱ひげ図の長さが大きく伸びていますね。
(図:NYダウ2017/07-2018/04:yahoo finance)
値動きが荒いということはリスクが大きいということですので好ましくありません。2018年の株式市場は投資家にとって試練の年になるかもしれませんね。
4月の米国市場をインデックスファンドで振り返ってみます。
比較するのは米国を代表する3つの指数にそれぞれ連動する低コストインデックスファンドです。
まず、3つの米国株価指数をまとめると次のようになります。
NYダウ |
S&P500 |
VTI (CRSP USトータル・マーケット・インデックス) |
|
構成銘柄数 |
30 |
500 |
3588 |
銘柄の特徴 |
超大企業のみ |
大型企業 |
大型、中型、小型企業と幅広い |
指数の算出 |
株価平均 |
時価総額加重平均 |
時価総額加重平均 |
大きな違いは構成銘柄数と指数の算出方法です。
NYダウは株価平均という30社の株価を足し合わせて補正した値です。
S&P500とVTIは時価総額順に重みをつけた値です。
NYダウ、S&P500、VTIの3つの指数に連動する投資信託で低コストに投資できるファンドがそれぞれiFree NYダウ、iFree S&P500、楽天全米株式インデックスファンドです。
まずは、iFree NYダウ、iFree S&P500、楽天全米株の4月の株価推移を比較してみます。
青:楽天全米、緑:iFree S&P500、橙:iFree NYダウ
4月の米国株は上昇しています。2月、3月の下落分を少し取り戻しました。
4月前半はiFree NYダウが楽天全米とiFree S&P500より上回っていましたが、終わってみれば4月のパフォーマンスはほぼ横並びでした。
次にもう少し長い期間で比較してみます。
青:楽天全米、緑:iFree S&P500、橙:iFree NYダウ
楽天全米株のファンド開始日(2017年9月29日)から比較しています。
iFree NYダウ>iFree S&P500>楽天全米の順位はずっと変わりませんね。
この傾向は連動先のインデックス指数でも同じなのでしょうか?
NYダウ、S&P500、VTIの同期間の変動を比較してみます。
(VTIは楽天全米株インデックスファンドが購入しているバンガード社のETFです。)
青:VTI、緑:S&P500、橙:NYダウ
当然のことですが、インデックスファンドと同様の変動をしています。
一番の違いは指数の比較ではS&P500とVTIでほとんど差がないという点です。
iFree S&P500と楽天全米株で差が出ている原因として楽天全米株の運用コストが高い可能性があります。
楽天バンガードを購入している人は少し注意した方が良いかもしれませんね。