eMAXIS Slim新興国株が2017年12月13日から信託報酬を大幅に引き下げました。
現在の信託報酬は年率0.2052%(税込)です。この引き下げによって競合する低コストファンドを大きく引き離しました。
MSCIエマージング・マーケットインデックスに連動する低コストファンドのたわら新興国株インデックスや三井住友DC新興国インデックスと比較してもeMAXIS Slim新興国がいかに低コストか分かります。
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eMAXIS Slim新興国 |
たわら新興国株 |
三井住友DC新興国 |
信託報酬(税込み) |
0.2052% |
0.3672% |
0.6048% |
純資産額 |
59.5億 |
45.7億 |
15.1億 |
設定日 |
2017/07/31 |
2016/03/14 |
2011/04/18 |
ベンチマーク |
MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
新興国株式に投資するインデックスファンドには他にもEXE-iつみたて新興国株式ファンド(信託報酬:0.1948%)や楽天新興国株式インデックス(信託報酬:0.2696%)といった低コストファンドがあります。でもこれらはETFを購入するファンドで3重課税の隠れコストがあります。
<3重課税問題は過去記事に書いています。>
新興国株式を買うなら”eMAXIS Slim 新興国株式インデックス” - 1億円のポートフォリオ
課税コストを考慮するとEXE-iや楽天はeMAXIS Slim新興国株に及びません。
eMAXIS Slim新興国株はコストの点で新興国株投資のベストファンドと言えると思います。
私もeMAXIS Slim新興国株に積立投資しています。
でも本当に信託報酬の引き下げが基準価格のパフォーマンスに反映されているでしょうか?
念の為に確認したいと思います。
同じ指数(MSCIエマージングマーケットインデックス)に連動するeMAXIS Slim新興国株、たわら新興国株、三井住友DC新興国株の3つを比較します。
eMAXIS Slimが信託報酬を引き下げた昨年12月13日から約5ヶ月間のパフォーマンスを比較してみます。
青:eMAXIS Slim新興国株、緑:たわら新興国株、橙:三井住友DC新興国株
eMAXIS Slim新興国とたわら新興国の変動が大体一致しているのに対して、三井住友DCはそこからかなりブレています。
パフォーマンスはやはりeMAXIS Slim>たわら>三井住友の順になりました。
これは信託報酬の差を反映しているのだと思います。
次にeMAXIS Slimとたわら、三井住友の基準価格の差を経時的に確認してみます。
信託報酬の違いがパフォーマンスの差になっているのであれば、時間の経過に伴って少しづつ差が広がっていくはずです。
eMAXIS Slimの基準価格からたわらと三井住友DCの基準価格平均を引き算してグラフにしました。
eMAXIS Slimが信託報酬を引き下げた昨年12月13日から1ヶ月くらいは基準価格の差はあまり分かりませんが、それ以降は上下にばらつきながらも少しづつ差が広がっているのが分かります。
信託報酬引き下げの効果が出ていると思います。
しかしばらつきが大きいですね。
前回の先進国株の比較記事と比べるとインデックス間のばらつきの大きさに驚かされます。
eMAXIS Slimの信託報酬引き下げ効果の大きさを見積もるにはもう少し長期で確認する必要がありそうですが、差が広がっていることは確認できました。
新興国株式インデックスはeMAXIS Slim新興国株で問題なさそうです。