2018年に入ってから株価は安定感を失っています。2月の急落をきっかけに値動きの荒い展開になりました。この”ボラティリティの復活”は、2017年までの順調な安定した上昇とは対照的です。
2017年の1年間にNYダウが1%以上変動した日は10日でした。
2018年はまだ半分も過ぎていませんが、1%以上変動した日は既に35日もあります。
この変化は2017年から2018年にかけてのチャートを見ると明らかです。
(出展: yahoo finance)
2017年の理想的な株価上昇と2018年の大きなばらつきがトレンドの変換を鮮明に表わしています。
現在の株価もピーク時からは1割くらい下落しています。
では、株価が下落している今が買い時かといえばそうでもありません。
今でも米国株はかなりの割高圏だからです。
株価が割高か割安かを示す指標の1つにバフェット指標があります。この指標はその国の株式時価総額をGDPで割り算した値です。
バフェット指数 = その国の株式時価総額 / その国の名目GDP
この指標の良いところは、シンプルな式で市場全体の過熱度を推し量ることができる点です。
では、米国株の現在までのバフェット指標を確認してみます。
(出展:GuruFocus, TMC=Total Market Cap)
米国株は1970年から1990年代までは株式時価総額がGDPを下回っていました。
そして、過去最もバフェット指標が高かったのは2000年頃の151%でした。
この頃の株価上昇とその後の下落は後にITバブルと呼ばれています。
次の山が2007年頃の105%で、その後の大きな落ち込みはリーマンショックですね。
注目は現在のバフェット指数ですが、142.2%です。
歴史的には過去2番目に大きなピークを形成しています。
gurufocus社は将来の株価推移について、バフェット指標を基に推定しています。
バフェット指標が40%、80%、120%の場合で推計していますが、それぞれの場合の今後8年間の年率リターンはマイナス9.7%、マイナス2%、プラス2.8%です。
彼らは中位推計を80%としているので、米国株の今後8年間の年率リターンをマイナス2%と予想しています。
先のことは分かりませんが、歴史的にみて現在の株価は少なくとも割安だとは言えなさそうです。
8年後の株価が今日より安いという事態は普通に起こり得るのです。