最近の株価低迷を受けて、7~9月期の投信販売が減っているそうです。
ネット証券の投信販売、前年比8%減 7~9月期 :日本経済新聞
中でもこれまで投信販売1位だった「ひふみプラス」の販売減速の影響は大きく、マネックス証券などでは2位以下に順位を落としているそうです。
投信販売の絶対的エースの立ち位置が揺らいでいますね。
ひふみ投信の魅力はなんといっても他を圧倒するパフォーマンスの高さでした。
投信が設立して今年で10周年ということですが、現在の基準価格は約4万5千円です。
スタートの価格は1万円なので、10年で4.5倍に成長したことになります。
TOPIXが同じ期間で2倍程度の上昇なので、市場平均を遥かに上回る上昇を成し遂げたことになります。
今、ひふみ投信を購入している人の多くはひふみの快進撃をみて購入を決めたのだと思います。
ただ、今年に限ってはひふみ投信に投資するのはまずい選択だったかもしれません。
2018年のひふみプラスのパフォーマンスをインデックスファンドのeMAXIS Slim日経平均、TOPIXと比較してみます。
青:eMAXIS Slim 日経平均、緑:eMAXIS Slim TOPIX、橙:ひふみプラス
(eMAXIS Slim日経平均が開始した2月からの推移です。)
比較した3ファンドは全て下落していますね。ひふみプラスはインデックスの日経平均やTOPIXと比較しても大きく下げています。
特に日経平均とは10%以上の差を付けられていますね。
ひふみ投信の開始当初から投資してる人にとっては大きな含み益が少し減ったくらいでしょうが、最近投資を始めた人にとってはショックな結果ですね。
そもそもアクティブファンドは資産規模が大きくなると市場平均に勝つのが難しくなってきます。
ひふみ投信は中、小型株を中心に投資して成長しましたが、投資規模が大きくなると売買が株価に影響を与えるようになってきます。
株価に影響しないように投資するにはより多くの銘柄に分散する必要がありますが、投資に値する割安株はそんなに多くありません。
資産規模が小さい時には優先順位が低かった投資先にも投資することになるでしょう。
必然的にこれまでのようなパフォーマンスを期待するのは難しくなります。
今からひふみ投信に投資するべきでしょうか?
ひふみ投信はこれまで素晴らしい実績を上げましたが、今後も同じように成長すると考えるのは危険かもしれません。
ひふみ投信に投資して数倍の利益を出した投資家はひふみ投信が有名になる前に投資をしていた人です。
これから投資する人が見習うべきは、まだ資産額が小さくて海の物とも山の物ともつかない頃のひふみ投信に可能性を見出した選択眼でしょう。
大きく儲けるなら、まだ評価の固まっていない資産額の小さいファンドから将来性のあるファンドを見つけることです。
でもそれは将来性のある株を見出すのと同じくらい難しいことですよね。