2018年12月に米国株は大きく下落しました。
12月の1ヶ月だけでNYダウは26000ドルから22000ドルまで一時4000ドルも下落しています。一月で15%も下落するのは10年に1回あるかというくらいの異常事態です。年が明けてからも1日で3%も株価が上下する不安定な相場が続いています。
長期投資にとって株価の大幅な下落時は逆にチャンスと考えることもできます。
株は「安いときに買って高いときに売る」ことで利益になります。株価が下落したときに積極的に投資することで後のリターンを増やすことができるかもしれません。
では、米国株が下落したこのタイミングで積極的に投資するべきでしょうか?
私はまだ米国株は割高で、投資するのに魅力的な水準まで下落していないと考えています。
米国株はリーマンショックの下落から10年間、破竹の勢いで上昇を続けました。
バンガード社のETFで米国(VTI)とその他先進国(VEA)、新興国(VWO)の2007年からの株価推移を比較してみます。
緑:米国株(VTI)、赤:米国以外の先進国株(VEA)、青:新興国株(VWO)
過去10年間、世界の株式市場は米国株の一人勝ち状態が続いています。
その背景には好調な米国経済があるのですが、それだけでは説明できない程の上昇です。
米国株の高値には将来の成長期待が多分に上乗せされています。
米国の実体経済(GDP)と株価(市場全体の時価総額)を比較してみます。
緑:米国GDP、青:米国株時価総額 (出展:gurufocus)
ITバブルが発生する1990年代後半までは米国株価はGDPを下回っていました。ITバブルでGDPを上回りますが、その後のバブル崩壊で再びGDPを下回ります。
リーマンショック前にもGDPを上回っていますが、その後の下落でGDPを大きく下回ります。
リーマンショック以降、株価は上昇を続け現在はGDPを遥かに上回る水準で推移しています。
12月の株価下落で米国株時価総額は縮小しましたが、今でもGDPの125%もあります。
長期的な視点で見るなら、今でも米国株は割高な水準だと考えています。
私が米国株に全力投資するのは米国株時価総額がGDPを下回ってからで良いかなと思っています。