インデックス投資において究極のファンドは全世界株式になると思います。
全世界株式に投資しておけば、世界経済の発展だけを期待すれば良いからです。
世界株式インデックスファンドは数が少なく先進国株式ファンドと比べて保有コストが高くなりがちでしたが、つみたてNISAの開始に合わせて魅力的なファンドがいくつも誕生しました。
今回はその中でも人気の楽天全世界株とeMAXIS Slimシリーズの全世界株式3ファンドに注目して比較してみます。
ファンド名 |
信託報酬 |
純資産 |
設定日 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) |
0.142% |
9億円 |
2018/10/31 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
0.142% |
35億円 |
2018/03/19 |
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) |
0.142% |
7億円 |
2018/04/03 |
楽天・全世界株式インデックス |
0.213% |
161億円 |
2017/09/29 |
eMAXIS Slim世界株式の3ファンドはいずれも2018年に誕生した新しいファンドです。3つのファンドの違いは地域(国)の構成比率です。
全世界株式(オールカントリー)と全世界株式(3地域均等型)は先進国株、新興国株、日本株の3地域から構成されています。
これに対して全世界株式(除く日本)は日本株を除いた先進国株と新興国株から構成されています。
楽天全世界はバンガード社の米国ETFに投資するファンドです。eMAXIS Slim全世界との主な違いはファンド・オブ・ETFを採用していることと連動する指数です。
eMAXIS SlimはMSCIという指数を採用しているのに対して楽天全世界はFTSE指数を採用しています。
2つの指数の主な違いは銘柄数でFTSEの方が2〜3倍多いです。とはいえ、世界の主な企業は両方の指数に含まれるのでどちらもそれほど変わらないように思います。
全世界株式(オールカントリー)が開始した2018年10月31日からの基準価格推移を比較してみます。
2ヶ月半ほどの短い期間ですが、パフォーマンスの違いが見られます。
最もパフォーマンスが良かったのは eMAXIS Slim全世界(3地域均等)で、次にeMAXIS Slimの(オールカントリー)と(日本除く)がほぼ同じで続き、楽天全世界が少し悪いという結果になりました。
楽天とeMAXIS Slimは指数の違いが出ているのかもしれません。12月の落ち込みは楽天の方が大きかったですがその後の回復も大きいので最終的には差が無くなっています。
特徴的なのはeMAXIS Slimの(3地域均等)でしょう。他の3ファンドとはかなり差があります。これは3ファンドの8〜9割が先進国株で構成されるのに対して、3地域均等の先進国株比率は33%しかないためです。
先進国株の時価総額が大きいので、時価総額比でファンドを構成すると8割方先進国株になってしまいます。これだと先進国株だけを持つのとあまり変わらなくなります。
(3地域均等)は先進国株、日本株、新興国株が3分の1づつなので日本も先進国だと考えると先進国と新興国は2:1の比になります。
新興国にも興味があるという人にはeMAXIS Slim(3地域均等)は良い選択肢だと思います。