2018年の株式相場は久しぶりの下落相場になりました。
先進国株、新興国株、日本株の年間パフォーマンスがそろってマイナスになるのは2011年以来7年振りになります。
リーマンショックは100年に1度の下落と言われますが、2018年は7年に1度の下落ですね。それなりに深刻な下落相場だったといえます。
(出典:日興アセットマネジメント)
下落相場で注目されるのは債券などを組み込んだバランスファンドです。株式と債券は逆向きに動く傾向があるので、株式が下落しても債券が上昇することで損失拡大を抑える効果があると言われています。
インデックスファンド業界ではさらにREITを組み込んだ8資産均等型バランスファンドが人気です。
低コストインデックスファンドのeMAXISI Slimシリーズからも8資産均等型バランスファンドが販売されています。
(出展:三菱UFJ国際投信、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型))
問題はこのバランスファンドが実際に下落相場に耐性があるかどうかです。
”7年に1度の下落相場”の2018年を題材に8資産均等バランスファンドの下落耐性を確かめてみましょう。
2018年の株価急落は主に2月、10月、12月に発生しました。
まずは2月の急落について主な株式クラスと8資産バランスを比較してみます。
2018年1ー3月期のeMAXIS Slim先進国株、新興国株、日本株、8資産均等インデックスファンドの推移を確認します。
2017年までの上昇相場から一気に株価が10%も下落しました。
つみたてNISAで投資を始めた人にはにいきなりの洗礼になりましたね。
先進国株、新興国株、日本株がそろって大きく下落していますが、8資産均等も一緒に下落していますね。。
株式よりは多少マシかもしれませんが、バランスファンドに期待する下落耐性としては満足できませんね。
次に10月の下落をみてみます。
2018年9ー10月期のeMAXIS Slim先進国株、新興国株、日本株、8資産均等インデックスファンドの推移を確認します。
株式はそろって下落していますが、8資産バランスはかなり持ちこたえています。先進国株が7%近く下げた局面でも3%程度の下落で済んでいますね。下落を回避できています。
12月の急落ではどうでしょうか?
2018年11ー12月期の推移をみてみます。
12月は先進国株と日本株が大きく下落しましたが、新興国株はあまり下げませんでした。8資産バランスは新興国株と非常によく似た推移をしています。
よく耐えていると言って良いでしょう。
最後に2018年の年間推移で確認します。
株式の年間下落率が12%〜18%なのに対して8資産バランスは7.5%程の下落に抑えられています。半分くらいの下落に抑えられていますね。
ばらつきが小さいのもバランスファンドの特徴です。年間を通してみると株式よりずっと安定しているのが分かりますね。
2018年の下落相場を振り返ることで8資産バランスが株式よりも下落耐性があることが分かりました。
とはいえ、7%以上の下落はそれなりに大きい下落幅だとも言えます。
8資産バランスに投資すれば下落相場でも安心ということは無さそうです。