「株式投資は余裕資金で、無くなってしまっても困らないお金でやりなさい。」といったことがよく言われます。
私が投資を始めたのは個別株でしたが、この教えに従って無くなってしまっても良いという覚悟で投資を始めました。
株式投資というのはそれくらいリスクのある行為です。
最初は恐る恐る売買しているのですが、続けてやっているとやがて慣れてきます。
そのうち投資額が増えていき、数百万円から1千万円規模になってきます。
私が「株式投資ってすごいな。」と感じたのは運用額が1千万円を超えた辺りでした。
1千万円を超えると投資に対する見方が少し変わってきます。
株式投資だと1日で1%以上変動することがよくありますが、1千万円運用していると10万円以上変動することになります。
労働で1日に10万円以上稼ぐ人はほとんどいないと思いますが、株だと持っているだけで10万円以上稼げてしまうことがあります。
仕事帰りの電車の中で株価をチェックして、「あー、今日10万円儲かったわ。」という日が毎週のように来ます。
さらに株は配当金が出ます。配当利回り3%の株を持っていると毎年30万円の配当を受け取ることができます。一月分の給料くらいが何の労もなく手に入ります。
「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」という言葉がありますが、運用額が増えてくると身を持って感じるようになってきます。
でも、運用額が増えてくるともう一つ心境の変化が起きます。
最初は「無くなってしまっても困らないお金」と思って投資していましたが、運用額が増えてくると「無くなるとすごく困るお金」と思うようになってきました。
1日で数十万円儲かる日もありますが、逆に数十万円損する日も出てきます。
最近でもバイオベンチャーのサンバイオ株が暴落して話題になりました。報道によると1週間で8割近く下落したそうです。
もし1千万円投資していたら、800万円の損失とうことになるでしょう。
もう取り返しがつかないような損失額ですね。
今回はたまたまサンバイオ株が暴落しましたが、どの会社の株でも暴落するリスクはあります。
私が投資を始めたのは2007年ですが、その頃の東京電力は最強のディフェンシブ銘柄と考えられていました。
その時に投資した人が今の株価を知ったら驚くでしょうね。
どんな大企業も暴落する可能性はあるし、それを前もって予測することはできません。
運用額が100万円くらいならそれでも諦めがつきますが、1千万円だと再起不能になりますよね。
そんな事態は絶対に避けたいと考えるようになります。
「株式投資の恩恵は受けたいけれど、再起不能になるような損失は絶対に避けたい。」
そんなことは可能だろうかと色々考えました。
今の所、その答えに最も近いのがインデックス投資じゃないかと思っています。
個人投資家の強みは期限を決めずに運用を続けられるところです。
「含み損が出たら塩漬けにする。」と言われますが、個人投資家ならではの運用方法です。
どんなに下落しても、ずっと持っていればいずれ報われる日が来る。
そう信じられるものに投資しましょう。