何年か前から日本を称賛する、日本スゴイ番組がテレビジャンルの1つとして確立されています。
代表格は「世界が驚いたニッポン! スゴ~イデスネ!!視察団」ですね。番組内容は各ジャンルの海外の専門家が日本の工場などを視察してすごいところを発見していくという構成です。
日本人にとっては普通のことでも海外の人から見れば実はすごいことってたくさんありますよね。
私が見たのは魚の加工工場の回でした。
機械で取り切れない魚の小骨を従業員がピンセットのような器具で一つ一つ丁寧に取り除いているところを外国人が「スゴーイ!」と驚いてました。
日本のお弁当の魚に小骨が無いのは手作業で取り除いてたからですね。すごいことですね。
でも私はこの番組を見ると哀しい気持ちになってしまいます。
この番組を喜んで見ている人も日本がもうスゴくないことを解っているはずと思うからです。
この10年で日本の衰退は誰の目にも明らかになってきました。日本と中国のGDPが逆転したのは2010年ですが、今や中国のGDPは日本の2倍以上です。
身近なハイテク機器のスマホでは日本の存在感は無くなり、代わりに韓国のサムスンや中国のファーウェイが台頭しています。
出生数は毎年のように過去最小を記録し、代わりに人口減少と高齢化率は過去最大を記録し続けています。
もう日本がスゴくないって分かってるからこそ、まだ密かに残ってるスゴイ部分を知りたいと思うのでしょう。
もし、日本にAmazonやApple、FaceBook、Google、Twitter、テスラ、ウーバー、Tiktok、インスタグラム、アリババ、NVIDIA、、、等の世界を席巻するような企業が育っていたら、ピンセットで小骨を取ってる所を外国人に見せて「スゴーイ!」と言わせるような番組は流行らなかったと思うのです。
投資の世界でも日本の存在感はありません。
私は色々なインデックス投資ブログを見て、ポートフォリオ構築の参考にしています。
「米国株に集中投資!投資はS&P500だけで良い!」といったブログは結構多いですが、「投資はTOPIX1本だけでオッケー!!」というような国内株全面推しのブログを見たことがありません。
投資は自分の大事なお金をリスクに晒すので、誰もがそれなりに投資先を吟味すると思います。よく考えた結果、日本には投資したくないって決めるのでしょう。
みんな日本に投資したくないから日本株は世界的にも最安水準に抑えられています。
少し前に世界の株価水準を比較する記事を書きました。
株価の割高、割安を評価するPBR(株価純資産倍率)で比較すると、日本のPBRが1.2倍に対してアメリカは3倍になります(2018年末)。
ヨーロッパで1.6倍、新興国は1.5倍です。昨年、通貨危機で大打撃を受けたトルコが1.1倍です。
日本は「いざなぎ景気」超えの長期に渡る好景気にありますが、株価の評価はトルコと同じくらいなんですね。
誰もが日本経済の将来に悲観的なのが分かります。
日本人としては、日本の将来に期待できないのは哀しいですね。
それでも、私は日本株にはそれなりの比率で投資しようと思っています。
理由はいくつかあるのですが、一番の理由は割安だからです。
誰もが日本経済に悲観的だからこそ投資するうまみがあるかもしれないと思っています。