まとまった投資資金を持っている場合、一括で投資するのと積立投資するのとではどちらの方が良いのでしょうか?
期待リターンとリスクが常に一定と考えるのであれば、一括投資が合理的ということになります。
投資の期待リターンは”投資額”と”投資期間”から見積もるので、一括投資の方が期待リターンが大きいのは当たり前ですよね。
それでも一括投資はするべきではないという記事を1年前に書いています。
あれから1年間インデックス投資をしてみて、一括投資か積立投資かの議論はあまり意味がないと感じるようになりました。
まとまった資金を持っている投資初心者は一括投資も積立投資もしないと思うからです。
例えば5千万円の投資資金があると考えましょう。
長年貯蓄に励んで貯めた5千万円です。
このお金を初めて投資する場合、どんな投資をするでしょうか?
まず、投資する前に周到に情報を集めるでしょうね。
家電を買うときと一緒ですね。今が旬の一番の人気商品を選ぶことになるでしょう。
「みんなに人気の商品を、みんなが絶賛している時に買う。」
でもこれは投資では絶対やったらアカンやつです。
5千万円も貯める人は用心深いので実際にはそんなことはしません。
ポートフォリオという考え方に辿り着くはずです。
株式は先進国、新興国、国内株と分散します。
株式だけだと下がるときは全部下落することが多いので、株式と相関の低い債券も加えることになるでしょう。
ポートフォリオが作れても5千万円の男はすぐに投資しません。用心深いので。
作ったポートフォリオに問題が無いか、過去の株価データを使ってバックテスト(シミュレーション)をします。
バックテストをすると、投資タイミングでリターンが大きく変わることに気が付きます。
PERやPBRといった株価指標にもここで気が付くはずです。
色々な株価指標で今の株価を検討すると割安ではない、むしろ割高かもしれないと考え出します。
これは当たり前のことです。
貯金ばかりだった人が投資を考えるのは株価が好調なときしかありません。
投資をしてこなかった人が投資をするのですから、”靴磨きの少年”状態なわけです。
用心深い5千万男はとりあえず少額から投資を始めるはずです。
積立投資をしながら株価が十分な割安水準になるのを待つでしょう。
景気は循環するので近い内に割安な水準を迎えるはずです。そこで一括投資することになるでしょう。