インデックスファンドで投資できる投資先は大きく株式、債券、REITの3つに分類できます。
株式と債券は伝統的資産と呼ばれます。取引される市場規模が大きく、多くの人にとってポートフォリオの中核になります。
株や債券以外の資産はオルタナティブ資産と呼ばれます。市場規模が小さく、”その他”として扱われている資産です。
投資は株式と債券だけで良いという投資家が多いと思いますが、私はポートフォリオの一角にREITは必要だと考えています。
実際、私のインデックス資産のポートフォリオで最も含み益比率が高いのが国内REITです。
まず、REITのパフォーマンスを確認してみましょう。
2018年1月から現在までの価格推移をREITと株式で比較してみます。
比較するのは実際に購入しているインデックスファンドの基準価格です。
橙色が国内REITの価格推移ですが、1年で約15%上昇しています。株式と比較するとパフォーマンスの良さが際立ちますね。
私が保有するニッセイJリートインデックスファンドも20%の含み益になっています。
REITは株式よりボラティリティが高いと言われますが、過去1年の推移を見る限りは株式よりバラツキも小さそうです。
REITのメリットの1つに株式との相関の低さが挙げられます。インデックスファンドの代表的8資産(国内外の株式、債券、REIT)の価格推移の相関を調べてみました。
ヒートマップの数値は資産間の相関係数を示しています。この数値は-1~1の値をとり、全く同じ動きだと1に、真逆の動きだと-1の値になります。
8資産の中で最も他と違った動きをするのは国内債券です。
国内債券をポートフォリオに加えることで、ポートフォリオ全体での価格のバラツキを抑えることが期待できます。
でも国内債券の問題は値動きが非常に小さいことです。値動きが小さいと運用効率が悪くなります。
ここで注目したいのが国内REITです。国内REITは国内株式と比べると0.37で少し相関がありますが、先進国株(0.26)や新興国株(0.18)と比べると相関は小さくなります。
これは国内REITと先進国株(新興国株)の組み合わせの相性が良いことを示しています。
もう1つの国内REITのメリットは割高、割安の判断が分かりやすい点があります。
国内リートは法律上、分配金を90%以上にすることで法人税を免除されています。
収益の大半を分配金にしているので、分配金利回りを見れば割高、割安の判断が簡単にできます。
過去10年の分配金利回りを確認してみましょう。
(出展:J-REIT.JP, 濃青がREIT分配金利回り)
この図をみると現在の分配金は4%程で5%を超えると割安、3%を下回ると割高という判断で良さそうです。
今後5%を超える水準になれば積極的に買いたいと思います。
あくまでREITはオルタナティブ資産
ここまでREITのメリットを強調してきましたが、REITはあくまでオルタナティブ資産で株式の補助的な利用に留めようと思っています。
まずREITは株式よりずっと市場が小さく情報があまり入ってきません。
基準価格推移も過去1年は安定していましたが、それ以前は非常にバラツキが大きかった時期もあります。歴史も浅い資産ですので多くの資金を投資するには不安があります。
REITの利用方法
私がREITの利用方法で一番良いと思うのは、割安時のスポット買いだと思います。
私がREITインデックスに投資したのは2017年8月頃です。この時は株式や債券が上昇を続ける中で国内REITだけが異常に値下がりしていました。
ここでスポット買いしたREIT資産が現在20%の含み益になっています。
(このスポット買い以降はほとんど投資していません。)
まだしばらく買う予定はありませんが、次の割安時にまたスポット購入したいと思います。