JTの株価が下落を続けています。最近の下落の主な原因は国内タバコ販売の不調が大きいでしょう。
JTは今月17日に1−3月期の紙巻きたばこの販売数が昨年より8.3%減少したことを発表しました。昨年も大きく減少しているので国内での紙巻きたばこ販売はかなりの勢いで縮小しています。
JTは今後の主流である加熱式タバコの開発で遅れをとったこともあって、株価は2016年以降ずっと右肩下がりを続けています。
これだけを見ると投資したくないような企業ですね。
でも個人投資家にとっては抗し難い魅力がある銘柄でもあります。
その最大の魅力はなんといっても高配当でしょう。最近の株価下落を受けて配当利回りはついに6%を超えました。国内の大企業で6%の配当を出す銘柄は他にありません。
超高配当といって良いでしょう。
さらに15期連続で増配を続けています。これは配当性向を高めることで実現しているので、会社の方針として今後も高配当は維持していくのではないかと思います。
JT株のもう一つの特徴は国が株式の3分の1を保有していることです。
国が大株主なのがどれくらいプラスなのか分かりませんが、安定株主なので下落時に一定の歯止めにはなるでしょう。
また、JTは国内中心の企業に思われがちですが、実はグローバル企業です。たばこ世界売上で第3位という好位置につけています。日本で一位なのはもちろんですが、ロシアや台湾でもシェア1位を獲得しています。
JTと比較するべきは国内企業じゃなくてフィリップモリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコなどの外資系企業なんですね。
フィリップモリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコと比べると、JTは高配当と言えない
グローバル企業であるJTとPMIやBATを比較すると、JTが超高配当とは思えなくなります。
PMIの配当利回りは5.3%、BATの配当はなんと8%もあります。
タバコ株は世界的に高配当ということですね。JT株を売っているのは主に海外投資家ですが、海外からみたらJTの配当は特に魅力的な水準というわけでも無いのでしょう。
とはいえ、6%の配当は魅力的ですよね。
今は買いたい気持ちでうずうずしています。もう少し安くなったら買ってしまうかもしれません。
でも忘れてはいけません。
JT株はここ数年、年率6%以上の勢いで下落しています。高配当に釣られて購入した人の多くが配当込みで考えても含み損になっているはずです。
魅力的に見える株ほど購入には慎重にならないといけません。