インデックスファンドで投資をするときに最も悩むことの1つが、
どのファンドに投資したら良いかという悩みです。
株式に投資するインデックスファンドだけに絞っても様々な種類があります。
株式を大きく分類すると、国内株と海外株に分けられます。
海外株はさらに米国株、先進国株、新興国株というように小分類されていて、それぞれのインデックスファンドが販売されています。
地域別で今一番の人気は米国株です。S&P500に投資していれば間違いないという人もいますね。
今回はどうやってこれらの中から投資先を選べば良いか、バンガード社のコラムから学んでみます。
バンガード社はインデックスファンドの生みの親にして、世界最大の運用会社です。様々なインデックスファンドを販売するバンガード社の意見は大いに参考になると思います。
結論から言うと、バンガード社は米国株だけに投資するよりも世界全体に投資した方が良いと言っています。
その理由をリターンとリスクの点から説明しています。
まずはリターンに注目してみましょう。
リーマンショック以来10年間に渡って米国株は米国以外の世界株よりも高いリターンを続けてきました。これが今の米国株人気の理由ですね。
でも過去50年でみると、米国株と世界株のリターンの優劣は循環的に入れ替わっているのが分かります。
下の図は1970年以降の米国株と世界株のリターンを相対的に比較したものです。
青いエリアが0よりも上にあるときは米国株の方がリターンが高かった期間で下にあるときは世界株のリターンの方が高かった期間です。
どっちが優位かは5〜12年のサイクルで入れ替わっているのが分かります。
最近10年は米国優位が続いていますが、今後もその優位が続く保証は無いということです。
次にリスクに注目してみましょう
投資においてリスクとは株価の変動率を指します。変動率が大きいと運用が安定しないので、同じリターンであればリスクは小さい方が良い資産になります。
下図は米国株と米国以外の世界株、米国株と世界株を6:4で合成した(グローバル)の3つの指標のリスクを比較しています。
緑で塗りつぶされている期間は、米国株よりもグローバル株のほうがリスクが小さかった期間です。
こうやってみると、過去10年間の米国株はリターンが高くてリスクは低いという最強の投資先だったことが分かります。
でも長期的な視点でみると、そんな状態は長続きしていません。
最後にリターンとリスクを合わせて比較します。
過去50年間の株式投資では、米国株だけに投資するリターンと全世界(グローバル)に投資するリターンは変わりませんでした。
一方で、全世界に投資していれば米国株よりリスクを下げることが出来ていました。
下図はグローバル、全米、米以外のリターンとリスクを示しています。
全世界株の方が米国株よりもリスクが抑えらていることが分かりますね。
アセットアロケーションの方法に正解はないのでどうすべきとは一概に言えません。
ただ、米国株の勢いが良いからという理由で集中投資するのは危険でしょう。
私は全世界に投資したいと思います。