「投資をするなら余裕資金で」とよく言われます。どうしてでしょうか?
投資で失敗しても生活に困らないようにということですが、もっと本質的には余裕資金でないと失敗するからです。
投資で一番難しいのは、時期を定めて利益を出すことです。
1年間で10%の利益を出したことのある人は沢山いると思います。
でも「これから1年間で10%の利益を出す。」というように期限を区切ったノルマを出されると、達成できるかどうかは運次第になります。
年の初めにニュースや新聞で年末の日経平均株価を予測する企画がありますが、専門家でも当たることはあまりありません。
マネックス証券が2017年11月に「日経平均が3万円に到達する!」と宣言して特別サイトを立ち上げました。
そこでは6名の専門家達が3万円到達時期について予想を掲載しています。
以下に専門家とその予測時期をまとめています。
所属 |
名前 |
日経平均3万円達成時期 |
マネックス証券 社長 |
松本 大 |
2019年3月末 |
マネックス証券 |
広木 隆 |
2019年3月末まで |
マネックス証券 |
大槻 奈那 |
2019年中 |
スパークス・アセット・マネジメント 社長 |
阿部 修平 |
2018年中に視野 |
コモンズ投信株式会社 社長兼最高運用責任者 |
伊井 哲朗 |
2021年3月 |
ウィズダムツリー・ジャパン株式会社 CEO |
イェスパー・コール |
2018年6月 |
2020年2月時点で少なくとも5名の専門家の予測が外れていることが分かります。
専門家と呼ばれる人でも時期を明示して予測することは難しいのです。
不可能と言い換えても良いでしょう。
一般人の予測が当たるはずがありません。当たってもそれは偶然以外の何物でもありません。
でも個人投資家でも精度良く勝てる方法があります。
それは、「時期を定めずに」予測することです。
「いつか日経平均が3万円になる日が来る」という予測ならきっと当たります。
時期を定めずに投資するためには、使う予定のあるお金を使ってはいけません。
使う予定のあるお金で投資するということは、専門家に混じってほぼ予測不可能なギャンブルに身を投じることになります。
投資は、この先10年くらいは使う予定のないお金を使いましょう。