コロナウイルスの感染が世界的が広がりを見せる中、株式の下落が止まりません。
感染の広がりは遂にこれまで絶好調だったアメリカ経済も脅かしつつあります。
この驚異を受けて米国株も激しく下落しています。
連日のように記録的な上げ下げを繰り返しながら、2週間で下落幅は10%を超えました。
こんな激しい下落はリーマンショック以来かもしれません。
世界的な下落を受けて、株式投資をしている人はほとんどが損失を出したと思います。
私もそれなりの額を投資しているので数年掛けて積み上げた含み益が一気に吹き飛んで悲しい思いをしています。
一方で、強気の個人投資家は今回の下落を絶好の買い場の到来と喜んでいるかもしれません。
長期的にみれば株価は右肩上がりに上昇していくのだから、一時的な株価の下落はむしろ絶好の投資タイミングだという考え方です。
私も概ね同じ考えですが、NYダウが10%下落した今が絶好のタイミングだとはあまり思えません。
10%下落したといってもまだまだ米国株は割高の水準だと思うからです。
市場全体の株価水準を見積もる指標の1つにバフェット指数があります。
バフェット指数はその国の市場全体の時価総額をGDPで割った値で、1より大きければ株価は割高、1を下回れば割安と判断します。
2020年3月7日時点でのアメリカのバフェット指数は1.46です。これは株価がGDPの1.46倍大きいということなのでかなりの割高水準という判断になります。
ちなみに日本のバフェット指数は1.03です。米国に比べれば割安な値といえます。
世界経済を牛耳るアメリカのバフェット指数が高くなるのは当たり前という考え方もあると思います。
でも歴史的にみてもアメリカのバフェット指数がここまで高かったことはありません。
過去を遡ると、株式時価総額がGDPを下回っていた期間の方が長いくらいです。
アメリカGDPと米国市場時価総額の推移(出典:gurufocus)
バフェット指数=1を適正水準と考えると、あと3割くらいは下落してもおかしくないと考えておくべきです。
米国株は10%下落した今でも過去最高レベルの割高水準です。
バーゲンセールだと思って爆買いすると大やけどするかもしれません。
リーマンショック後の最悪期のバフェット指数は0.57まで下がりました。
今から急激に下落して半値になったところで、リーマンショック時の割安水準には及びません。
まだまだ下落相場は始まったばかりかもしれません。