新型コロナウイルスの感染が世界中で広がり、世界の主要都市が一時停止する事態になっています。
アメリカやドイツは経済活動の再開を模索していますが、外出やイベントの制限が完全に撤廃されるのはかなり先になりそうです。
都市のロックダウンは一時的に感染拡大を抑制するだけなので、制限を解除すればまた感染が拡がってしまいます。
結局、新型コロナを収束させるには2つの方法しかありません。
1.みんなに感染させて、集団免疫を獲得する。
2.都市封鎖を繰り返しながら、ワクチンが開発されるのを待つ
一番目の方法は、自然の成り行きに任せて特に何もしないという方法です。
感染が拡大しても大半の人は軽症なので、ほっておいてもいずれ感染拡大は収まります。
一方で、重症化する人もいるので集団免疫を獲得するまでに大量の犠牲者が発生します。
100年前のスペイン風邪では、結果的に集団免疫で収束させました。
収束するまでに世界で2000万人の犠牲者が発生しています。これは第一次世界大戦の戦死者より多くなります。
100年前より成熟した現代社会で、集団免疫を獲得するまで放置するという選択肢は取れないでしょう。
世界のほとんどの国は2番目の都市封鎖を選択しました。人命を守るために経済を犠牲にする選択です。
この方法はワクチンが開発されるまで1〜2年間、続ける必要があります。
でも、都市封鎖を1年以上続けると経済が崩壊するので、制限を厳しくしたり緩めたりしながら、なんとか持ち堪えるしかありません。
こんなもどかしい制限を世界中が経験することになります。
ワクチンが開発されて感染が収束しても、元の世界に戻ることはないでしょう。
コロナ後は、パンデミックに対応できる社会を目指していくことになります。
具体的には、人口の一極集中を緩和させることです。
東京の人口密度は世界一です。通勤ラッシュ時の乗車率は200%を超えます。
外出制限で人出を50%減らしても、乗車率100%です。
東京はソーシャルディスタンスが一番難しい都市です。
リモートワークが普及すれば、狭い場所に密集して暮らさなくても良くなります。
新型コロナの影響で世界中の株価が下落しましたが、アマゾンやネットフリックスの株価は逆に上昇しています。
彼らのビジネスは人の密集を必要としないからです。逆に家にいる時間が長い程、強みを増していきます。
アマゾンもネットフリックスもFAANGの構成企業です。コロナ前から大勝ちしていていた企業がコロナでさらに勢いづいたと言えます。
そう考えると、コロナは世界を違うものに変えるというよりも、人類の進化を加速させていると捉えることもできます。
コロナ前の状態に戻ろうとしている企業は、コロナが無くても遅かれ早かれ淘汰される側なのかもしれません。