インデックスファンドで1番人気のある投資先は米国株式です。
米国市場のS&P500に投資するeMAXIS Slim米国株式インデックスは純資産総額が1500億円を超えていて、Slimシリーズで一番人気のファンドになっています。
どうして米国株はこれほど人気なのでしょうか?
答えは簡単で米国株のパフォーマンスが他の市場を圧倒しているからです。
2010年からの世界の地域ごとのパフォーマンスを比較してみましょう。
バンガード社のETFには米国株、米国以外の先進国株、新興国株にそれぞれ対応した商品があるのでその基準価額を使って比較します。
VEA: 先進国市場(除く米国)ETF
VWO: 新興国市場ETF
VTI: 米国市場ETF
3つのETFの基準価額推移を比較すると、米国株が他の地域を圧倒するパフォーマンスだったことが分かります。
10年前にS&P500に一括投資していれば、今頃3倍に増えていたことになります。
それに対して米国以外の先進国や新興国に投資していれば、10年経ってもせいぜい10〜20%ほどしか増えませんでした。
誰もがが米国株に投資したくなるのは当たり前です。
ここで気を付けないといけないのは、これまで急上昇してきた米国株は割高になっているかもしれないということです。
米国株が割高かを調べてみましょう
株価の割高、割安を評価する指標にPERがあります。
PERはPrice Earnings Ratioの略で株価を利益で割った値になります。
PER=時価総額÷純利益
利益に対して株価が何倍かを見ることで、生み出した利益に対して株価が適切かを評価します。
一般的にPER=15倍が目安でそれ以上だと割高、それ以下だと割安と言われます。
米国株の平均PER(2010年ー2020年)
米国株の平均PERは過去10年でかなり上昇しました。2010年に18倍だったPERは26倍まで上昇しています。
15倍を基準として考えると、かなり割高な水準に達しています。
ただ、現在のPERは歴史的にものすごく高い水準かというとそうでもありません。
過去40年間のPER推移を確認してみましょう。
米国株の平均PER(1980年ー2020年)
リーマンショック直後に120倍まで上がっています。
これを異常値として無視したとしても、ITバブルの2001年には40倍を超えていました。
そこから考えると26倍というのはそこまで高くないという見方もできます。
PERが45倍くらいまで上昇するとすると、株価はまだ2倍くらい上昇する余地がありそうです。
いずれにせよ、米国株投資で理解しておかないといけないのは、過去10年間のような目覚ましい上昇はこれからの10年に期待することはできないということです。
儲かった人の真似をして後追いすると必ず損をするのが株式投資のセオリーです。