「神は死んだ 我々が殺したのだ」
哲学者ニーチェの有名な著書の一節です。
神といった絶対的な善への信仰が疑われ、何が正しいのか分からなくなったことを「神は死んだ」と表現しています。
私はこの日経記事を読んだ時、「神(債券)は死んだ」と感じました。
コロナショックで世界中の中央銀行が政策金利をゼロにしました。日本やヨーロッパはコロナ前からゼロ以下でしたが、これまで金利を維持していたアメリカもゼロになってしまいました。
金利ゼロの債券を持っていてもリターンは期待できません。
株式:債券=6:4のポートフォリオは、これまで下落相場にも強い頑健なポートフォリオとされてきました。
債券は株価下落時に上昇するという特徴があったからです。
まさに神のように信仰されていたポートフォリオです。
しかし金利が無くなった今、債券には何も期待できなくなりました。
債券はリターンは小さい代わりにリスクも小さいローリスク・ローリターンの投資先でしたが、期待リターンがゼロのローリスク・ノーリターンの投資先になりました。
現金で持っていた方がマシですね。
債券にクッションとしての役割を期待できない今、投資家は伝統的な株式:債券のポートフォリオを捨てて自分なりの新しいポートフォリオを考えなくてはいけません。