緊急事態宣言で飲食店や映画館、ボーリング場、カラオケボックス等に時短営業の要請が出ています。
でも、時短営業の協力金が支払われるのは飲食店だけで映画館やボーリング場には協力金が出ないそうです。
また、協力金は店舗の大きさに依らず一律同じ額なので、小さい個人営業の店舗ほど恩恵が大きくなる仕組みです。
大阪の吉村知事もこれを”不合理”と認めています。
知事も”不合理”認める「協力金なき協力要請」 疑問感じつつ応じる映画館、応じない施設も…(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
だからといって、特に改めようということはしません。
なぜかというと、そもそも最初から公平にしようとしていないからです。
政府の主な機能は税金で集めたお金の再配分です。
どこからお金を集めて誰に配るかは彼らの裁量で決まります。
なるべく取りやすいところから取って、都合の良いところに配ろうとします。
個人事業主や小規模法人が得をするのは政治力があるからです。
大きく声を上げ、分配金を獲得するための綱引きに勝ったのです。
個人事業主や小規模法人は課税においてもサラリーマンより優遇されています。
この課税の”歪み”を作家の橘玲さんは著書の中で”黄金の羽根”と呼んでいます。
彼は著書の中でこの”歪み”は是正されることなく、ずっと維持されていると分析しています。
そして、この”歪み”の犠牲になっている個人ができる対処法は、”黄金の羽根”を拾う側に回ることだと説きます。
つまり、マイクロ法人の設立です。歪みがあるなら、得する側に回れということです。
ベストセラーになった本書の初版は2002年と古いですが、新板ではそれから10年以上経ってどう変わったのかが追記されています。
課税の歪みは結局、ずっと温存されたままでした。
お金持ちになるにはこの”歪み”からいかに身を守り、利用する側に回れるかで決まるのです。