セミリタイア・アーリーリタイアの一番の課題はお金です。
働かずに生きていくにはものすごくお金が掛かるので、貯金を切り崩すだけで生活しようと思うと莫大な額が必要になります。
投資でお金を増やしながら生活資金を得るというのが現実的な選択肢になります。
ここで問題は、投資でお金が増えるとは限らないということです。
最悪、お金を減らしてしまうかもしれません。
リタイア後に絶対に避けないといけないのは、投資でお金を減らしてしまうことです。
特にリタイア後すぐの最初の数年で損失を抱えてしまうと、もう取り返しがつかなくなります。
リタイア資金を平均年率8%で成長するインデックスファンドで運用し、毎年5%づつ生活費を引き出すとします。
年率8%といってもリタイア後20年間の平均が8%です。現実には上昇する年もあれば、下降する年もあります。
たまたまリタイア後の最初の3年間にマイナス10〜20%の下落が続いた場合、リタイア計画は破綻します。
平均8%のリターンがあっても、最初に資産が毀損してしまえば元に戻すことは難しいのです。
逆に、下落する3年間が最後の3年間なら全く問題になりません。すでに十分に蓄えられた含み益が守ってくれます。
同じ期待リターンの運用をした場合でも開始するタイミングが違うだけで天と地ほど結果が変わってしまうのが投資の世界です。
有名な次の投資本でその問題について詳しく解説されています。
「世界のエリート投資家は何を考えているのか―――「黄金のポートフォリオ」のつくり方」
ここから学べることは、資産運用では損失を出してはいけないということです。
50%の損失を取り戻すには100%の成長が必要です。
特にリタイア後に資産を切り崩して生活するなら絶対に避けないといけません。
実際の世界株式インデックスで過去の変動を調べてみると、1999-2006年と2007-2013年に大きな谷があります。
1999年に一括投資をすると2006年まで含み損は解消しなかったことになります。
1999年から資産運用を開始した人は大変だったことでしょう。
リタイアするには7年間、リスク資産を切り崩さずに暮らせる生活資金がないと厳しいですね。
でも、最初の谷(1999-2006年)を乗り越えてもすぐに次の谷(2007-2013年)が待ってますね。
1999年リタイア組は生き残れないな、これ。。