投資のリターンはどれくらいが適切でしょうか?
小さいリターンで良いなら実現できる確率は高くなりますが、高いリターンを求めるほど達成できるか不確実になります。
投資家としては目的のリターンに対してできるだけ変動幅(リスク)が小さくなるようなポートフォリオを組むのが課題になるでしょう。
私はリスク資産を年利5%で運用したいと思っています。できるだけ確度の高い方法を探していたところ、ドンピシャのタイトルの本を見つけました。
年利5%を実現する投資の教科書 伊藤武
著者はアメリカウォール街で45年間働いた金融のプロです。
そんなプロフェッショナルが考える年利5%を実現する投資とはどういうものか知りたいと思って手に取りました。
結論から言うと、私にとって特に目新しいことは書かれていませんでした。
著者が勧める投資方法は、世界全体の株式に時価総額に応じて分散投資することと、ドルコスト平均法で時間も分散するという2点です。
今でいうと、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を積立投資すれば良いということですね。
うーん。それ知ってた。
ただ、逆に言うとプロの目から見ても答えはそれほど変わらないということです。
一括投資については、タイミングによって大きく成果が変わってしまうことから推奨していません。
まとまった資金がある場合は、まずその3分の1を投資して残りを3年ほどかけて分割して投資するのが良いと述べています。
1つ面白かったのは金投資についてです。
金は株式や債券のようにそれ自体が収益を生み出すことがありません。その意味では投資対象として不適切です。
しかし、金は普遍的な価値が保証されているほぼ唯一の資産であり、その資産価値のパワーはリーマンショックやコロナショックのような大暴落時に発揮されます。
ポートフォリオの一部に金を含めることで、不測の事態にときに資産を守ってくれるでしょう。
そういえば、レイ・ダリオのオール・ウェザー ポートフォリオにも金が入っていましたね。
ポートフォリオ安定化のためには金も投資対象にした方が良いのかもしれません。
年利5%を実現する投資の教科書
おすすめ度 ★★★☆☆