どんな投資法もみんながこぞってやれば失敗します。
みんなが買うと値段が上がって、商品の本来価値を上回ってしまうからです。
インデックス投資も例外じゃないかもしれません。
最近の研究で、企業の株価と将来利益が合わなくなってきたことが報告されています。
過去40年間の株式市場のデータから、12ヶ月後の業績が高い企業に投資した場合の超過リターンを調べました。
2010年までは10%以上の超過リターンが得られていましたが徐々に減少していき、2018年以降は消失してしまいます。
つまり、企業の将来業績を完璧に予想しても儲けることが出来なくなったということです。
この原因の1つがインデックス投資と考えられています。
ファンドマネージャーが銘柄を選択するアクティブファンドの大半がインデックスファンドに劣後することが広く知られるようになっています。
ファンドマネージャーに払う運用手数料が大きいからです。
その結果、今ではインデックス運用の運用資金がアクティブ運用を上回っています。
でもこのことが、市場の価格発見機能を失わせる原因となっています。
アクティブ投資がいなくなることで、企業業績を株価に反映させるコストを誰も負担しなくなったからです。
インデックス投資は時価総額の順に市場全体に投資することで、市場平均の投資リターンを目指す投資法です。
インデックス投資が成功する前提は市場が効率的で、個々の企業の株価が適切に値付けされていることです。
でも、その前提が揺らいでいます。
みんなが個別企業の業績を考慮せずインデックス投資だけをするようになれば、いずれリターンは低下していくでしょう。
インデックス投資家はアクティブ投資に支えられていると自覚しましょう。
時々、インデックス投資家がアクティブファンドを批判することがありますが、天に唾を吐くような行為です。
「いつもお世話になっております」と謙虚な気持ちを持ちましょう。