”いくら資産があればFIREできるか?”の1つの答えに4%ルールがあります。
これはトリニティ大学で行われた「トリニティスタディ」が理論的な根拠となっています。
このトリニティスタディ、原文も公開されています。
Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable
https://www.aaii.com/journal/199802/feature.pdf
4%ルールを解説しているyoutubeやブログはたくさんありますが実際にリタイアする前に元の研究では何を言っているのか確認した方が良いでしょう。
研究では資産を株式と債券に投資した上で一定の比率で切り崩し、何年資産が枯渇せずに持つかを調べています。
株式75%、債券25%のポートフォリオの場合、30年後も資産が枯渇しない確率は100%でした。
インフレを考慮した場合でも98%の確率で資産が枯渇しないという結果になっています。
ここから、退職後の保守的な資産切り崩し率は4%を基準に考えるのが良いという結論になります。
では、30年間切り崩した後、資産はどれくらい残っているのでしょうか?
この問いにもトリニティスタディは答えています。
株式投資は上手くいくと儲かりますが、運悪く資産を減らしてしまう可能性もあります。
30年間も運用を続けるとその差も大きくなります。
1,000ドルを株:債券=75:25で運用しながら4%づつ切り崩した場合、30年後の資産の平均は9,031ドルになります。
なんと、9倍以上に増えているのです。
最低の場合でも1,497ドルで最高の場合は16,893ドルになります。
最低の場合でも元本は維持され、最高の場合は17倍近くまで増えることになります。
これはインフレが考慮されていませんが、それでも4%の切り崩しだと30年後には資産が増えている可能性が高いと考えて良いでしょう。
30年後の資産を調べると、投資はやっぱり運次第だと思ってしまいますね。
4%ルールを開始する時期が違うだけで、30年後の資産が10倍以上の差になります。
投資はタイミングがいかに重要かを物語っています。
4%ルールが安全かを調べること以上にどのタイミングでFIREするのが安全かを考える方が重要かもしれません。