インデックスファンドで最も有名な指標の1つにS&P500があります。
S&P500はあのウォーレン・バフェットがオススメしていることでも有名ですね。
全米の大型企業500社からなる指標は最も信頼できる指標の1つと言えるかもしれません。
時々、「S&P500は全米から優れた企業だけを500社選んでいるからパフォーマンスが良い」という説明を目にします。
例えば、農林中金の奥野一成さんによると、S&P500のパフォーマンスが良いのは「時価総額などの基準での競争を勝ち残った企業群」だからと説明されています。
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そんなこと実際にあるでしょうか?
S&P500が優れた指標だというのは認めますが、500社を選抜しているからリターンが高くなるという説明は納得できません。
もしその説明が正しいのであれば、S&Pは全米の企業群の中から将来株価が上昇する企業だけを選別できるということになります。
念の為、確認してみましょう。
過去10年間のS&P500と米国市場全体のパフォーマンスはそれぞれ対応するETFがあるので簡単に比較できます。
VTI (米国市場全体、約3800銘柄)
VOO (S&P500、約500銘柄)
基準価額の推移はほとんど変わらないという結果になります。
S&P500が強いのは500社を選抜しているからではなくて、米国市場そのものが強いからという理由です。
S&P500は単に大型株というだけで、それ以上の意味はありません。