年初からの円安で日本円の価値が対ドルで10%も下落しています。
問題なのはこの円安が今後も落ち着きそうにないことです。
円安は今に始まったことじゃなくて、日銀が異次元金融緩和を始めてからずっと円安でした。
その円安がここに来て急加速したのは、世界中の主要国がコロナ禍で実施した金融緩和を終了して引き締めに転じる中、日銀だけが金融緩和を続けているからです。
「日本も金利上げれば良いじゃん」と思いますが、それが出来ないから怖いのです。
政府は既に1000兆円の債務を抱えていて、金利が上がると利払いの負担に耐えられなくなります。
日銀は政府から大量の国債を買い取っていて、金利が上がると国債価格が下落して評価損を抱えることになります。そうなると日銀の信用が失墜して通貨の信認が失われます。
緩和を続けると円安が加速して、緩和を辞めても政府と日銀が危機になります。
あれ、これってもう詰んでるんじゃない!?
日銀が「国債無制限買い取り」に踏み込む理由、どうしても金利上昇を防ぎたい事情とは |FinTech Journal
私が株安より円安の方がずっと怖いと思う理由は、株なら世界中に投資している限り下落してもいずれ回復すると信じることが出来ます。また、世界中がダメになるなら諦めもつくでしょう。
でも円安は日本固有の問題です。今、日本の金融政策は世界と真逆の方向に突っ走っています。日本の政策が正しくて世界中が間違えてるなら良いですが、日本だけが誤った政策を続けていたとしたら日本人は悲惨な目に合います。
過去10年近く続けてきた異次元金融緩和が正しいようには思えないのです。
今の日本円の価値を支えているのは1000兆円の個人金融資産です。
この個人資産が海外に逃げ出すと一気に円安が進むかもしれません。
円安が進むと預金好きな日本人も資産保全の為に海外資産を購入するでしょう。それがさらに円安を誘導して円安スパイラルが止まらなくなったりして。。
コラム:本当の円安危機、1000兆円の家計が外貨買いに走る時に到来か=佐々木融氏 | ロイター
私の資産の内、日本円は2割まで減らしました。今後1年くらいで1割以下にしたいと思っています。