世界で一番強いのは誰か?
とくに子供は世界最強という言葉に憧れます。
動物で世界最強は?恐竜で世界最強は?と考えたことがある人は結構いるでしょう。
私が子供の頃、アントニオ猪木が人類最強だと思っていました。
昔はネットがなくて情報が少ないし、テレビのプロレスではいつも猪木が勝っていたからです。
今になって思うと、日本人が世界最強と思うのはちょっと無理がありますよね。
実際には、誰が世界最強かを言うのは難しいです。
格闘技にはいろんな種類があるし、ルールもそれぞれ違います。
強いて世界最強を推定するなら、ボクシングのヘビー級チャンピオンになるでしょうか。
ボクシングは最も報酬が高い格闘技だからです。
世界最強なら、最も稼げるボクシングでチャンピオンになるのが合理的なはずです。
歴代ヘビー級チャンピオンの中でも"最も偉大なチャンピオン"と言われているのが、モハメド・アリです。
The fans' top 5 greatest boxers of all time | NBC Sports
モハメド・アリが世界最強だったことを否定する人は少ないでしょう。
現役時代のモハメド・アリとの戦いに名乗りを上げ、リングの上に引きずり出したのが格闘技世界一決定戦(猪木アリ戦)でした。
当時、アリは世界最強のヘビー級ボクサーで超有名人でしたが、猪木は世界的には無名でした。
さらに、アリに支払うファイトマネーで大変な借金を背負うことになります。
莫大な借金というリスクを背負って、世界最強の男に勝負を挑む。
こんな凄いやつ他にいません。
猪木対アリ戦は引き分けに終わります。
試合は終始猪木が寝転び、アリが立ったままの膠着状態で、プロレスとボクシングの派手な攻撃の応酬を期待したファンをがっかりさせました。
でも時が経ち、総合格闘技が普及すると、猪木アリ戦を彷彿させるような試合展開が頻発するようになります。
世紀の凡戦と言われた試合は、ガチの世界最強決定戦だったのかもしれません。
大人になって、多くの情報にアクセスできるようになった今でも改めて思います。
あの頃、アントニオ猪木は世界最強だった。
その失敗を恐れない破天荒な生き方を尊敬します。