セゾン投信が創業者の中野晴啓会長を退任させたそうです。
記事によると、社内の路線対立に負けたということなので退任に追い込まれたってことですね。
セゾン投信「直販中心から転換」 路線対立で会長退任 - 日本経済新聞
証券会社を介さない直販を継続するか否かで対立したとありますが、個人的にはそれよりもセゾン投信のコンセプトが時代に合わなくなったのが大きいと感じています。
セゾン投信は2007年に「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」「セゾン資産形成の達人ファンド」の販売を開始しました。
当時は国内にまともなインデックスファンドが無く、今より信託報酬が高い商品ばかりでした。
そんな中、セゾン投信が打ち出した低コストで世界中の株や債券に広く薄く投資するというコンセプトは異彩を放っていました。
当時のセゾン投信のパンフレットには、老夫婦の絵と「ゆっくりとお金持ちになる」と書かれていました。
長期投資の重要さを訴えるセゾン投信のコンセプトに大いに感銘を受けたのを覚えています。
でもあれから15年が過ぎ、投信の世界は大きく変わりました。
超低コストのインデックスファンドが乱立し、世界中に広く薄く投資するのが当たり前の世の中になりました。
つみたてNISAの誕生で20年という長期投資も当たり前になりましたね。
15年前にセゾン投信が訴えた通りの世の中になっています。
ただ、この変化にセゾン投信自体が追いつけませんでした。
セゾングローバルバランスファンドの信託報酬は0.45%(税抜)でインデックスファンドとしては低コストと言えなくなってしまいました。
わざわざ直販でしか買えないセゾン投信を買うメリットは小さいですね。
中野会長が退任することで方針が大きく変わることが予想されますが、これも避けられない流れだったのかなと思います。